私達の暮らしと縁が薄そうに見えるコウモリ。
しかし実態は建築物の瓦の下や天井裏、換気口、橋の下、倉庫など建物のあらゆる隙間をねぐらとし、市街地を中心に多く生息しています。
コウモリの糞害は、病原菌の繁殖の元となり、発見したら迅速な対策が必要です。
ここではコウモリの生態をご紹介するとともに、駆除の方法から業者選びのポイントまで、ご紹介したいと思います。
点検(調査)・工事をお受けになるお客様へ(新型コロナウィルスへの対応策)
日本に生息するコウモリは30種類以上といわれていますが、そのうち人家や建物などに営巣して被害をもたらすのは、ほとんどイエコウモリ(アブラコウモリ)と呼ばれる種類です。
まずイエコウモリがどのような生き物なのかご紹介いたします。
Pipistrellus abramus(通称イエコウモリ、アブラコウモリ)
前腕長30-35mm、頭胴長40-60mm、尾長30-40mm
5~10gほどで、幼虫は黒色、成虫は黒褐色から暗灰褐色の体毛で覆われている。
北海道を除く日本全国の市街地を中心として、特に平野部に広く分布する。
雄が3年、雌は5年程。(他種コウモリの平均寿命は5~15年)
主に日没前後から日の出まで空中を飛翔し、日中はねぐらに帰るというほぼ昼夜逆転した生活をおくり、飛べない子供は巣に残されたままです。
蚊、ユスリカ、ヨコバイ、ウンカなどの小型昆虫類を主食とし、時には小型甲虫なども捕食しながら生活しています。
メスは満1歳から妊娠することができ、秋期に入ると交尾を行いそのまま3月まで冬を越します。
冬眠明けの4月ごろに妊娠し、梅雨時期に入ると2~4匹ほどの子を産み、8月頃までが子育て期間です。
子の親離れも比較的早く、一ヶ月程で離乳してそのまま巣立っていきます。
イエコウモリは、建物が多いところによく巣を作りやすく、建物が少ない山間部などには生息が少ないことが特徴です。
木造、鉄筋コンクリ-ト造、鉄骨造など構造を問わず、人工物であればどのような場所にでも住みつきます。
瓦下 、換気口内 、天井裏 、壁内、水切り部、外部設備機器(エアコン、給湯器内部)など
これらの場所は、基本的に隙間が狭く、簡単には入れないとお考えかもしれません。
しかし、イエコウモリはわずか1.5cmの隙間さえあれば簡単に侵入することができ、これまでには1cmの隙間でも侵入したケースもありました。
どのようなお住まいでも、これくらいの隙間は数多く存在するので、コウモリが侵入するリスクは常にあると考えています。
コウモリの侵入が確認された住宅の隙間の例
もともとイエコウモリは、蚊などの害虫を食べてくれる益獣としての側面があり、直接人体を攻撃することは普通ありません。
ただし、営巣した場所が天井裏や壁内の場合、コウモリの騒音が発生しやすく、人間の生活に悪影響を与えます。
また、集団で行動するため、巣に集う個体数は多くなり、営巣した建物が糞尿に汚染され、悪臭が発生します。
実際にコウモリに侵入された天井裏や壁の中を確認すると、おおむね以下のような画像の状態になっていることが多いです。
コウモリの侵入が確認された天井裏の例、コウモリの糞が散乱している
壁の中に蓄積されたコウモリの糞
もしこのまま処理しないまま放っておくと、糞から発生したダニによる病気がもたらされる危険性があります。
コウモリの糞尿からは以下の3種のダニが媒介されます。
糞尿がある巣付近から、このようなダニが(夜間)室内に侵入し、首や手足など肌の露出が特に多い部分が刺され、吸血されます。
さらに、これらのダニに吸血された直後ではなく、数日経ってから腫れや、かゆみなどの症状が発生します。
腎症候性出血熱・・・急な発熱、頭痛、嘔吐などの症状があり、目の充血、発赤などが見られることもあり、重症になると死亡する可能性もあります。
ハンタウイルス肺症候群・・・急な高熱、筋肉痛が表れ、呼吸困難状態となります。死亡例も多く見られます。
コウモリが媒介するダニが引き起こす感染症です。出血熱や脳炎などの症状が表れます。
コウモリの糞を含んだ土壌やほこりの中の真菌を吸い込むと感染し、主に肺炎の症状が表れます。
症状が出ないか、症状が軽い場合が多いですが、高熱やせき、呼吸困難になる場合もあります。
このように、二次被害のリスクが高いため、コウモリを見つけたらすぐに駆除したいと考えがちですが、実は個人が勝手に捕獲することが禁止されているのはご存知ですか?
そもそもコウモリは鳥獣保護法により保護されており、捕獲するためには行政機関への申請が必要で、自分で勝手に捕まえることはできません。
捕獲が許可されるまでは、以下の手続きを行う必要があります。
このように捕獲するには、煩雑な準備・時間が必要となります。
雨宮が実際に行う作業は、寝ぐらへの侵入口を閉鎖し、コウモリを寄せ付けない対策を行い、作業上捕獲する必要がある場合は、上記の駆除申請を代行した上で捕獲を行います。
さらに、既にコウモリが侵入している場合、 糞尿の処理および殺菌消毒の作業までを一貫して行います。
それにより、二次被害を防ぎます。
このようにコウモリ対策は、他の害獣対策とは違い、駆除の技術だけでなく、建物への侵入自体を防ぐことと、病原菌を残さない殺菌消毒も必要となります。
コウモリ駆除を行う業者は、最近でこそ増えていますが、これらの技術をすべて持ち合わせているかどうかが大事なところとなります。
業者を選ぶ際には、駆除知識はもちろんのこと、住まい(建物構造)に関するノウハウも持ち合わせているかを基準にしてみましょう。
雨宮では、次のような体制によってコウモリによる被害を確実にシャットアウトいたします。
網わなによる狩猟免許所持者が20名、現在在籍しております(2018年現在)。
また、建物の構造や被害場所によっては、高所で足場を作る必要がでてきます。
雨宮では、これらの作業もすべて一貫して行います。
コウモリ駆除の際の足場設置例
駆除技術だけでなく、その後再び侵入されないための予防対策(侵入経路対策)がコウモリ防除の大きなポイントとなります。
雨宮では、害虫・害獣駆除だけでなく、住まいのリフォーム・メンテナンスも共に手がけており、1級建物アドバイザーも28名在籍(2018年現在)しています。
効率的に侵入口をふさいで将来的にコウモリを寄せ付けないのはもちろん、建物の景観や機能をできるだけ損ねず、お客様の建物の特徴を理解しながら作業をすすめてまいります。
コーキングによる侵入口閉鎖例
侵入防止器具による侵入口閉鎖例
コウモリが住みついていた、寝ぐらには想像以上に糞が溜まっていることが多く、糞尿だけでなく、コウモリに付着しているダニなどを対象に、必ず殺菌消毒を実施しております。
最後に、コウモリ駆除には最適な時期があることをお伝えします。
7月~8月の子育て期と11月~3月の冬眠時期では、営巣する個体数が多く、巣から全てを追い出すことが困難になります。
この時期を除いた春と秋くらいに追い出すのが、最適な対策時期だと言えるでしょう。
追い出しが難しい時期でも工事は可能ですが、その場合、内部に残ってしまったコウモリに対しての薬剤処理等が発生します。
将来にわたって、しっかりとしたコウモリ対策をお考えのお客様はぜひ雨宮にご相談ください。
侵入箇所の閉鎖:27,500円~(税込)
殺菌消毒:8,800円~(税込)
糞の処分:49,500円~(税込)(壁内や天井裏に蓄積の場合)
足場が必要な場合は、別途費用が必要です。 コウモリの捕獲申請が必要な場合は、申請費用として別途16,500円が必要となります。